andrea記
安田貯蓄銀行とある通帳、正式名称は「日歩貯金通帳」を
さる筋から入手。手帳ほどの大きさで表紙は固く、
各ページは用紙を表を外になるように二つ折りにして
製本しています。いわゆる原稿用紙綴じです。

さて、ここからは「街を放浪する街放浪」ではなくて
通帳をなめるように読み取って妄想を羽ばたかせる
「通帳放浪」始めます。
「細部は時代を証言する!」なんてね。
さて、通帳を開くと注意書きが

小切手などを受けいれたときは、それが現金化してから
はじめておろしたり出来ますよ、、って 今と同じです。
小切手が不渡りの場合も自分で対処していなかったら同じ。
自分の身は自分で守る。そのたいろいろですが
すっ飛ばします。
で、中身ですよ。
この通帳を使っていたお宅は4帖半の女中部屋があります(ありました)。
現時点でこの部屋は台所付属の物置部屋と化しています。
女中さんは、職業がら台所の近くに生活拠点を持ってます。
そこで、通帳を見ると

左のページの左から2行目。
「女中給与」「壱弐000」が払い出されています。
日付は見にくくなってますが 昭和21年8月6日付け。
「壱弐000」は下二桁の単位が「銭」なので
120円00銭ちょうどが給与として払い出されています。
さらに同じページの左側の行に 昭和21年7月6日付けで
給与として「壱弐000」=120円00銭が払い出されてます。
したがって結論。このお宅の女中さんは、給料日は毎月
6日(なんで6日なのかな?)で、住む場所付き、おそらく
三食付きで120円のお給料を頂いていた事が分かります。
次に、このページを見てください

左のページの一番右側の行
「21年9月18日 上期利息」として銀行から
「壱参八八参」が支払われています。これは
「138円83銭」の利息が半年でついたという事です。
この日の直前の残高は、通帳右ページの左下の部分、
「五四参四九六」で「5,434円96銭」ですから割り算をして
0.0255(=138円83銭÷5434円96銭)となり
この半期の倍が年利と見なして二倍するとこの貯金の
利率は年5.1%となる。ひゃ〜〜普通預金が結構高利回りだ〜〜。
今なんて定期や定額でも0.04%くらいだから、127倍の利率。
いい時代だ〜!
今だったら100万円預けて一年後に5万円くらいの(税引き前)
お父さんのお小遣いになる。貯金に励むわな!
でも、終戦後なのでインフレもひどかったのかな。
この利率でもインフレ率が年5%を超えていたら
貯金する人なんているわけないものね。
そうすると、逆に考えると昭和21年のインフレ率は
4〜4.5%くらいだったのかもね?消費税相当かな。
詳しい方がいらっしゃったら教えてください。
でした。
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